配偶者に全部相続は得?二次相続の落とし穴
- 2026.08.30
結論
「配偶者に全部相続させれば相続税が安くなる」と考える方は多いですが、必ずしも最善とは限りません。
一次相続では相続税を抑えられても、二次相続で税負担が増えるケースがあります。
相続対策で大切なのは、一次相続だけでなく二次相続まで含めて検討することです。
配偶者に全部相続すると相続税が安くなる理由
相続税には「配偶者の税額軽減」という制度があります。
この制度により、
- 法定相続分まで
- または1億6,000万円まで
であれば、配偶者に相続税はかかりません。
そのため、
「配偶者に全部相続させたら相続税がゼロになった」
というケースは珍しくありません。
ここだけを見ると、配偶者に全部相続させることが最も有利に思えます。
二次相続とは?
二次相続とは、配偶者が亡くなった際に発生する相続のことです。
例えば、
父が亡くなる → 母が財産を相続(一次相続) → 母が亡くなる → 子どもが相続(二次相続)
この二回目の相続を二次相続といいます。
実は、相続税のシミュレーションをすると、この二次相続が大きなポイントになります。
なぜ二次相続で相続税が増えるのか?
二次相続では一次相続にはあった優遇制度が利用できません。
主な理由は次の3つです。
① 配偶者控除が使えない
二次相続では配偶者がいないため、配偶者の税額軽減が使えません。
② 基礎控除が少なくなる
相続税の基礎控除は
3,000万円+600万円×法定相続人
で計算されます。
一次相続より相続人が減ることで、基礎控除額も小さくなります。
③ 財産が集中する
一次相続で配偶者に全部相続させると、財産がほぼそのまま配偶者へ集中します。
結果として、二次相続時の課税対象財産が大きくなる可能性があります。
具体例
例えば、
- ご夫婦
- 子ども2人
- 財産総額1億2,000万円
の場合を考えてみます。
一次相続で配偶者に全部相続させると、相続税は大幅に軽減される可能性があります。
しかし、その後の二次相続では、
- 配偶者控除なし
- 基礎控除減少
- 財産が集中
という状況になります。
結果として、相続税が数百万円単位で変わるケースもあります。
そのため、一次相続だけで判断するのは危険なのです。
不動産オーナー・地主の方は要注意
二次相続は、不動産を多くお持ちの方ほど重要です。
なぜなら、
- 不動産は分けにくい
- 納税資金を準備しにくい
- 共有名義になるリスクがある
からです。
特に地主の方や賃貸不動産オーナーの方は、二次相続まで考慮した相続対策が欠かせません。
税理士からのアドバイス
相続対策で重要なのは、
「目先の相続税を減らすこと」
ではありません。
本当に大切なのは、
「家族全体で支払う相続税を最小化すること」
です。
そのためには、
- 一次相続の税額
- 二次相続の税額
- 配偶者の生活資金
- 不動産の承継方法
を総合的に検討する必要があります。
実際には、
配偶者に全部相続させるより、
子どもへ一部を承継した方が有利になるケースも少なくありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 配偶者に全部相続させると必ず損ですか?
いいえ。
配偶者の生活資金を確保する必要がある場合は有効な選択肢です。
ただし、二次相続まで検討することが重要です。
Q2. 二次相続で相続税はどのくらい増えますか?
財産額や家族構成によって異なります。
数十万円の差から、数百万円以上の差になるケースもあります。
Q3. 二次相続対策はいつ始めるべきですか?
早ければ早いほど有利です。
一次相続が発生する前から検討しておくことをおすすめします。
二次相続チェックリスト
□ 配偶者に全部相続させる予定
□ 相続税の試算をしたことがない
□ 不動産を所有している
□ 子どもが複数いる
□ 二次相続を考えたことがない
1つでも当てはまる方は、一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
まとめ
二次相続は、多くの方が見落としがちな相続対策のポイントです。
配偶者に全部相続させることで一次相続の相続税は抑えられても、二次相続で税負担が増えることがあります。
相続税対策は、「今の相続」ではなく「家族全体の相続」を考えることが重要です。
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ご自身の場合はどうなるのか気になる方は、お気軽にご相談ください。
財産状況やご家族構成を踏まえ、一次相続・二次相続の両方を見据えた最適な相続対策をご提案いたします。











